痴漢電車 5・愛

 上半身を裸にされてしまった。気がついたら、 電車の中で胸を周りの人に見られてしまっている。
 しかも、自分は目隠をされているので、本当に見られているのかどうかも分からない。
 どちらにしても、相手は刃物を持っているから下手に騒げない。そんなことを考えていると、また軽く舌打ちしていた。今度は何をする気なの…..?
 そう思ってちょっと焦っていると、急に乳首が冷たくなった。何かねばっこいクリームのようなものを乳首に塗られたっぽい。
「んひ?」
 気を抜いていた時に急に触られたもんだから、すごい変な声が出ちゃった。
『じっとしてろって言ってんだろ?』
 乳首を触られたせいで声が出ちゃったけど、それで抵抗する仕草みたいに見えたんだろうか、ちょっとイラついた口調でそう言いながら、お尻を触りはじめた。
(え、マジで今度こそスカートを…?)
 どうやらお尻を触りながら、ファスナーを下ろしているっぽい。
(ちょっとどこまで……。)
 暴れるワケにもいかないが、せめて体をフルフルさせて、やりにくくさせるしかないと、腰を動かして、邪魔をしたつもりだった。それがまさか『お尻をふっておねだりをしている』と思われていたなんて知るワケもなく……。
「ケガしたくねェんだろ? おとなしくしとけって」
 その声が耳に届いた次の瞬間、抵抗もむな しく、スカートがおとされた。
(えええ…..)
 さらに男はあたしの足下にしゃがみこむと、無理やり片足ずつ持ち上げてスカートを奪ってしまった。
(ちょっと、それまでどーする気?)
 スカートも取られてしまって、本当に何も隠せないと思っていると
「かわいいパンティだな? お気に入りかぁ? 今日の記念に俺がもらっておいてやるよ、ヘヘッ』
 と言われた。
 せっかく、上下お揃いでゲットしたのにこんなことになるなんて、最悪……。と思っていると、何も言わ ず男はぷち、ぷちっとショーツのサイド部分に刃を当て切ってしまっていた。
 これで全裸にされちゃったんだ.あたし……。
 たまたまのってしまった電車でこんな目にあうなん て、と一気に気持ちがおちこんだ。

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